ワーママ。

フルタイムワーママとして張り切っていた私。核家族が仕事家事育児を回しながら、笑って過ごすにはかなりの努力を要すると悟る。世の中の共働き家庭が、少しでも笑顔でゆっくり休める時間をつくりたい。

仕事と家庭は両立できない? by アンマリー・スローター

先日、Unfinished Business(訳書:仕事と家庭は両立できない?女性が輝く社会のウソ・ホント)by Ann Marie Slaughter を読んだ。とても読みやすく、納得感があり、私が今の仕事を辞めるという決断をする一押しをする本となった。

この本では、現代の働く母親に家事育児の負担がどれだけかかっているかが冷静に分析されている。そして現代の女性が、仕事と家庭を両立できない問題は、シェリル・サンドバーグの「Lean in」の主要メッセージにあるような「女性自身がバリバリ活躍する気持ちを失わなければ、扉はそこに開かれている」といったスパルタ論だけでは解決できないという。それでは本当にマッチョな体力無限女性か、祖父母の全面的な手助けがある女性しか、活躍できないからだ。今の社会では、家庭で女性が担うべき(とされる)役割が多過ぎ、普通に核家族の母親が仕事をバリバリしながら子育てをするのは条件的にかなり厳しい。これからは、みんな無理なく活躍できる環境が用意されるべきだし、そのためには社会も会社も家庭も変化しなければならない。

この本は、私が何となく感じていたワーママの理不尽感を言語化してくれていて、思考の整理にとても役立った。また、この本の筆者のキャリアも、本の価値を高めている。彼女は子育て中にスーパーハードワークのホワイトハウスで働いた経験をもち、更に今はアメリカの名門大学で教授として働いているバリキャリエリートだ。自身は悩みつつ、茨の道を闊歩して成功しながらも、「これでは女性は活躍できない」ということを伝えてくれている。こんな輝かしいキャリアを持つ、バリバリの人がそういうのだから、ととても納得感を持って読み進めることができた。

現代のワーキングマザーが抱える悩みを整理するのにとても役立つ良書だと思う。